職場の定着 その3(長く勤まる5つの特徴)


皆さま、こんにちは😃
キャリアコンサルタントの貫井(ぬくい)です。

今日は「職場の定着」の3回目です。
2日前から同内容を連投しております、このページに初めていらした方は恐れ入りますが2日前に遡ってお読み頂きますと全体の意味が分かるかと存じます。

昨日の投稿では、障がい者就労における定着支援にはお互いの
「理解」が必要だ、と述べました。

本日の投稿では更に具体的に、企業は障がい者に、障がい者は企業に何を求め、どう接するのかなどをアップしたいと思います。尚、以下内容は主に精神障がい者、発達障がい者を対象に述べたものであり知的、身体についてではないことはご承知おき頂き下さい。

■企業側


・受け入れ時に障害特性の理解をしっかり行う。

同じ障害であっても必ずしも同じ症状がでるとは限りません。
例えば、統合失調症の全ての方が幻聴、幻覚があるわけではありません。
障害の特性とその個人の特性を理解する。ライン上の管理者だけではなく配属先全ての方が把握する。
定期的に障がい特性の勉強会、受け入れ後の「実際」について、報告を受ける場を設ける。
配属先社員の不平不満は早目に対処を!障がい特性の理解不足による誤解が多い。




・短時間勤務から始める

障がい当事者の中には「1日8時間働けます!」という方がいる。
大変頼もしい意思表明に聞こえるが、色々話を聞いているとどうもそうではないようで

「人生の遅れを取り戻したい!」

と考えそのような発言に至る方も少なからずいる。
「残業も大丈夫です!」と言ってくれもするのだが、無理は禁物。最初は短時間勤務から始め徐々に体を慣らすことを優先する。

短時間勤務から始めるに際し「精神障害者ステップアップ雇用奨励金」が使える可能性がある。この制度は短時間労働からスタートすることが適切だと考えられる精神障害者を数ヶ月(週労働時間10時間以上20時間未満)で雇い入れ、徐々に就労時間を延長し、週20時間以上の勤務をめざす制度。この有期雇用の期間は事業主に月額25,000円支給される。いくつか条件があるので詳しくはハローワークに問い合わせを。企業としては奨励金をもらいながら長い目で障がい者を教えることができ障がい者本人としても無理せず働くことができる。


・相談ができる担当者をつける。

ジョブコーチなど社外の人的資源を活用する。また、指示出しや職場での相談者をつける。ここで職場の相談者ですが若者は避けできれば再雇用された60代以上のシニアをお勧めします。理由は30,40代は障がい当事者に対してイライラすることが少なからずあります、さっき言ったでしょ!のような感じで衝突しがちです。一方シニアの方は多くの経験を積んでいてちょっとやそっとでは動じません。
障がい当事者が上手くできなくても

「どうした?大丈夫!上手にできたじゃないか」

と優しく失敗も成功も包み込んでくれます。
人生経験の差でしょうか。


そう言った意味で障がい者とシニアの相性はバッチリです。

・キャリアパスを示す

精神障がいや発達障がいの方はいわゆる「東一早慶」や「MARCH」など高学歴で誰でも知っているような一流企業に勤めていた方も少なくありません。そんな方にずっと事務です、ずっとメール仕分けですなどと言うとやる気が萎え、これで良いのだろうか?迷いから仕事に来れなくなることありがちです。ですので是非今後こういうキャリアパスをあなたに用意しているよというのを示して下さい。それだけで安心できます。


・興味関心を示す

実際に障がい者が長く続く会社と回転ドアで中々定着できない会社とあります。
何が違うんだろうと考えた時に「興味関心」があるかないかということに気付きました。

長く続く職場は、職場の方が一緒に食事をしよう!と声をかけてくれたり(一人が良いという人ももちろんいます)障がい者の趣味や誕生日、好きなお笑い、好きな歌、趣味は何かなどなど知っていて本人に「あなたに興味があります」とメッセージを伝えています。彼ら彼女らは「私はみんなから必要とされている、ここに私の居場所はあるんだ」と感じます。

逆にすぐに辞めてしまう職場の場合は、全く逆です。
職場の方は障がい者に興味関心がないので昼はどこで食事をしているのか趣味や関心ごとなどまーーたく知りません。そうすると「ここには私の居場所はない、必要とされていない」と誤ったメッセージが伝わり退職に至ります。

1つ事例をシェアします。

50代女性 統合失調症 清掃業務 某中小企業

この女性は前職で壮絶なイジメにあった過去がある方でした。
障がい者枠で仕事が始まり数ヶ月経った頃、私に電話をくれました。

「(泣き声)今話しできますか?(え?どうした?)職場で広報をもらったんです、、」

聞けばその広報に「新しい仲間を迎えました!」とその女性が顔写真入りで載り全社員に紹介されたとのこと。また、広報に載る前から社員みんなが彼女のことを知っており「みんなが挨拶してくれるんです!」更には、これは私も最高に感動したのだがバレンタインデイの日にそこの社長がわざわざ彼女のもとに歩み寄り

「これ義理チョコじゃないから(笑)」

とチョコを渡してくれたそうで彼女は感動と喜びのあまりしばらく放心状態だったそう。

「会社の社長が障がい者で私みたいな掃除のおばちゃんを知っていて
わざわざチョコをくれるなんて!!信じられない!」

この言葉の中に、彼女のイジメを受けてきた辛い過去を感じる。
今まで誰も私を認めてくれなかった、でもこの職場ではみんなが、更には社長までもが私を理解し存在を認めてくれている。

そんな彼女の思いを感じることができた。
目を潤ませて喜んでたな…
(*´꒳`*)


事例はまだまだありますが今回はこれだけ。

是非、障がい者の方を新しい仲間として迎えて下さい。
はじめのうちは色々と上手くいかないことがあるかもしれません。
ですが彼ら彼女らを通して多くの学びを得ることができます。
障がい者に優しい会社が全社員に対しても働きやすい環境になります。

まとめると(;´Д`A

障がい特性を理解する
短時間勤務から始める
シニアの担当者をつける
キャリアパスを示す
興味関心を示す

以上の5点です。
長く障がい者が働き続ける会社はほぼこれらができています。
特に興味関心は絶対です。

今日は企業サイドの話でした、明日は障がい者サイドの投稿をします。

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