「週20時間の壁」を壊した、ソフトバンク株式会社の革新的な取り組み
ソフトバンク株式会社が昨年2016年5月に発表した「ある」プレスリリース、この発表が障がい者就労のあり方を根本から変えようとしています。


- 週20時間の壁
- ショートタイムワーク制度導入!!
- 後退ではなく前進である
週20時間の壁
「4時間勤務で週4日を希望します」
面接時に、上記のような短時間の就労希望を面接官に伝えると苦い顔をされることが多い。
また、履歴書の「本人希望欄」に上記のような短時間の希望を記入した場合、採用担当は「不採用」のファイルにほぼ間違いなく入れる。
なぜか?
それは、週20時間未満だと法定雇用算定の対象にならないから。
障害者雇用促進法で、企業や地方自治体は一定以上の割合で障がい者を雇うように義務付けられており、民間企業は現在2%(追記2019年1月:現在は2.2%)企業はその課された2%の雇用率を守るため週20時間以上の就労できる障がい者を雇用する。
(参照⇒守らないとどうなるの? 企業名公表!)
先の事例で言うと、4時間勤務で週4日は週16時間勤務、算定対象の週20時間未満となり法定雇用率の対象にならない。ゆえに、企業は週20時間未満の勤務を希望する応募者は不採用とする。
短時間なら働けるのに!!
20時間以上ではないと・・雇えない・・
これが「週20時間の壁」と言われている。

スポンサーリンク
ショートタイムワーク制度導入!!
昨年の2016年5月、日本中に激震を走る。
ソフトバンク株式会社の、あるプレスリリースが障がい者雇用の考え方、しいては働き方自体を我々に問うことになる。
それは、
ソフトバンク株式会社は、東京大学先端科学技術研究センター 人間支援工学分野と連携し、障がいにより長時間勤務が困難な方が週20時間未満で就業できる「ショートタイムワーク制度」を2016年5月23日より本格導入しました。「ショートタイムワーク制度」は、障がいにより就労意欲があってもその機会を得られなかった全ての方が参加できる新しい雇用システムづくりを目的とした制度です(同社HPから抜粋)
「週20時間の壁」を壊し、20時間未満でも就労ができるように新しい制度を作ったというもの。
もちろん、かといって現行の法律では企業(従業員50人以上←追記2019年1月 現在は45.5人以上)に課された2%の法定雇用に参入されないのは変わらない。あくまでも一企業の取り組みである。
しかし、このショートタイム制度の考え方は障がい者雇用だけでなく、我々日本人の働き方を再考させるいいきっかけになっている。例えば、がん患者。がんに罹患した場合、健康時に比べれば体力面でも就労は難しい、また、多くのがん患者は自身ががんと分かった段階で退職を選んでいる。透析患者はどうだ?週に何度も透析を受けに何時間も病院に過ごすことになり仕事がままならない。また、親の介護が原因で離職に至る方も増えている。もし、就業時間がその時々のライフイベントに応じて変化することができれば解決できることも多い。
このショートタイム制度は障がい者雇用だけではなく、昔から当たり前とされていた我々日本人の仕事のありよう「常識」を覆し、「働くとは?」と問を与えている。
後退ではなく前進である
自治体では川崎市が「短時間雇用創出プロジェクト」と銘打って取り組みを始めている。
非常に良い動きではないだろうか。障がい者雇用で言えば、願わくば、多くの企業が、ショートタイム制度を取り入れ、働きたい人がその状況、体力に応じて働ける環境をつくる、また、国はそれに対して補助金や新たな制度などで企業をバックアップ、必要な法整備を行うなど「働き方改革」を進めて欲しい。
ソフトバンクの孫正義氏は以前「ハゲている」と揶揄されたことを受け、自身のツイッターでこうつぶやいたことがある。
「髪の毛が後退しているのではない、私が前進しているのだ」
\(//∇//)\素敵!!
今後も孫さんには前進し続けていただき、革新的なチャレンジをお願いしたい。
本件プレスリリース
なお、各種問い合わせはソフトバンク株式会社にお願いいたします。
追記2019年1月10日
障がい者の就労を支援するためのブログです。
スポンサーリンク
この記事へのコメント