精神障害者、雇いやすくする特例措置

皆様、こんにちは〜
キャリアコンサルタントの貫井(ぬくい)です。
障がい者就労支援を通じて、あなたの課題を解決します。


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今日は、今年の㋃から始まる精神障害者の就労に関する特例措置についての投稿です。
【読者対象】 人事担当者、経営者、支援者


週20時間以上でも1カウント!

法定雇用率は原則として、週30時間以上働く障害者は1人、週20時間以上30時間未満働く障害者は0・5人に換算して算出される。来年4月以降は精神障害者に限り週20時間以上30時間未満の労働でも雇用開始から3年以内か、精神障害者保健福祉手帳を取得して3年以内の人は1人と数えることにし、精神障害者の雇用を促す。5年間の時限措置とする(朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASKDQ52ZCKDQULFA01S.html

現在、企業が精神障害者の法定雇用率を1カウント算出するためには、週30時間以上働いてくれる精神障害者の方を1人雇う必要がある。週30時間以上と言えば、例えば6時間/日×5日、8時間/日×4日となる。これが5年間の時限措置ではあるものの、週20時間以上30時間未満であれば1人として㋃以降からカウントされることになった。

週20時間以上であれば例えば、4時間/日×5日、6時間/日×4日となる。身体障害者や知的障害者に比べ精神障害者の場合は定着率が低いためハードルを下げ精神障害者の雇用を上げようと厚生労働省はしている。

企業サイドとしては、短い時間(週20時間以上30時間未満)で採用し様子を見ることができるようになった。一方、障害当事者としては、決まった時間に起床、電車に乗り定刻までに会社に到着、仕事をこなし、決まった終業時刻に帰る、このルーティンを毎日繰り返す。これを短時間からスタートできることのメリットは大きい!理由は短時間勤務から開始した方が体力的にも精神的にも負担が少ないから。

今回の時限措置は、企業側にとっても当事者側にとっても朗報と言えるであろう。

上記、説明の中で「身体障害者や知的障害者に比べ精神障害者は定着率が低い」と言った。
では、ここで精神障害者の定着状況を具体的に提示する。



障害者の定着状況について(障害種別)


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障害種別一年後の定着率
発達障害者71.5%
知的障害者68.0%
身体障害者60.8%
精神障害者49.3%

1年後の定着率を見てみると、発達障害者が1番定着率が高く71.5%、次いで知的障害者で68.0%、その後に身体障害者60.8%、最後に精神障害者で49.3%と続く。精神障害者で言えば、一年後には半数以下が辞めてしまう、となる。但し、同じ精神障害に分類される発達障害者に関しては定着率が高いのは意外と思われる方が多いのではないか。この調査研究でははっきり分析結果は示されてはいない、が個人的には発達障害者に合った仕事であれば彼らの能力を存分に発揮し仕事ができるのでその結果がこの定着率に反映されているのはないかと考える。

どう言うことか?


発達障害者の主な特徴は、多動、こだわり、不注意である。

言い換えれば、「行動力がある(多動)」、「最後まで決して諦めない(こだわり)」、「多くのことに興味がある(注意欠陥)」となる。これらの特徴が合えば職場の定着に繋がるかもしれない。もちろん、同じ発達障害者だと言っても上記のような特徴を全員が兼ね備えているわけではない、それぞれの個別の特徴があるのでしっかり面談を行い、支援者などからもできればヒアリングを行い、得意不得意などを把握する必要がある。
経営者で言えば、ビルゲイツやスティーブ・ジョブズが発達障害者だと聞くが見事にこれらの特徴がある。

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余談が長くなった、話を戻す。
精神障害者の定着率は1年後には約半数に減る、辞めてしまうと言った。
では、次に精神障害者の就業時間別の定着率を確認頂きたい。

短時間勤務であれば定着率は高いのであろうか?
健常者と同じぐらい、若しくはそれ以上は働いた場合は、やはり定着率は低いのだろうか?
(同じく出典は上記JEEDから抜粋)



精神障害者の定着率(就業時間別)


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一年後の定着率

20時間以上30時間未満 60.4%
20時間未満       53.2%
30時間以上40時間未満 50.8%
40時間以上       42.4%


ポイント

週20時間~30時間勤務の精神障害者の定着率が最も高く1年後の定着率60.4%(ここのラインが今回4月以降に1カウントとなる)
・週30時間~40時間未満の定着率は50.8%(現在は1カウントを得るためにこのラインを求めている)
・週40時間を超えると定着率は最も低くなり42.4%
週20時間未満の定着率は53.2%

短時間勤務が定着率の向上につながる、という考え方だと週20時間未満が一番定着率が高くないとおかしいがここでは約53%とそんなには高くない。あまり短いと当事者のやる気が出ないということだろうか?


まとめ

・精神障害者の一年後の定着率が低いため、20時間以上30時間未満でも1カウントとするようハードルを下げた。
・先ずは短時間勤務から様子を見て、勤怠勤務態度、本人の状況から徐々に勤務時間を上げていくことがしやすくなった。
 本文には記載していないが、短時間勤務(週10時間勤務以上)からスタートさせることにより受けることが出来る可能性がある助成金がある(精神障害者等ステップアップ雇用奨励金)詳しくはお近くのハローワークにて問い合わせ願いたい。
発達障害者は一年後の定着率は一番高く70%以上。特性に合わせた仕事を担当してもらうことにより定着率UPが望める。


キャリコン貫井から

今年の四月から迫っている精神障害者雇用義務化。各企業で良いご縁をと人材を求めてみえるかと思うが、せっかく入社いただいてもすぐに辞めていただいては辛すぎる・・先ずは無理のないところで短時間勤務から始めることと、上記助成金などを使って負担を極力軽減して精神障害者をお迎えしてみてはどうか。計画的に採用活動を行いロクイチ報告に備えましょう!!



併せて読みたい
      「企業名公表」ロクイチ報告に慌てないために計画を立てて採用活動しましょう。


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