講演報告(吉祥寺)

皆様、こんにちは〜
障害者職業コンサルタントの貫井(ぬくい)です。
就労支援を通じて、あなたの課題を解決します。



本日はオファーを頂き、吉祥寺にて講演を致しました。
タイトルは「障がい者就労の現場からーー見えてくる課題と社会参加への足掛かり」

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お話した内容から少し。


見えてくる課題

普段、当事者との支援業務において私が感じている課題

・自己肯定感の極度の低さ(家庭、学校、職場などでの困り感から自尊感情を失っている
・ジョブマッチングができていない(なんでもいいから仕事がしたい!で職探し⇒実際やってみて「自分には合わない」「やりたいことではなかった」と退職に至る)
・自身の障害特性について理解できていないため、必要な配慮を企業に求められない
・職場の人間関係がうまくいかない(自閉スペクトラム症(以下ASD)の場合は特に対人関係で悩みが多い)

企業側の課題としては

・職場の上司同僚が障害に対して理解がない
・フォローアップがされていない
・仕事の切り出しが分からない

などある。


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梅永雄二氏(早稲田大学教授)は、「発達障害者の就労上の困難性と具体的対策(論文)」の中でこう書いている。

「彼ら(ASD)の就労上の課題は、適切なジョブマッチングがなされていないこと、職場の同僚上司がASDに対する理解が進んでいないこと、彼らの特性に合った職場の合理的配慮がなされていないこと、そして就職後のフォローアップが十分でないこと」

ここで「発達障害者の職業生活への満足度と職場の実態に関する調査研究」から退職理由を見てみる。


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梅永氏の論文では、「特にASDが就労支援で最も大きな課題を所有している」とする。
ASDの特徴である、社会性の障害、コミュニケーションの障害、想像力の障害、強いこだわりによって、同僚上司との対人関係でつまずき、定着できずに離職を繰り返す方が多い。この図の1番にくる「人間関係がうまくいかなかったから」はASDの障害特徴から関係性を崩した結果かもしれない。



以下、発達障害の特性と就労課題を考える。



発達障害とひと言で言ってもASD(自閉スペクトラム症※・自閉症スペクトラム障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害・注意欠如多動症※)、LD(限局性学習症※・学習障害)とあり、特性はそれぞれ異なる。※障害という用語が使用されなくなってきている(診断基準のDSM-5では併用されている)


LD

読み、書き、計算の苦手なLDの場合は、通常のコミュニケーションは出来、理解もある、しかし、簡単な暗算が出来ない、文章が読めないなどがあると、「意外と仕事できないね」と思われ職場に居づらくなり離職というパターンが考えられる。
LDで有名なのは俳優のトムクルーズ、彼は台本が読めないので人に読んでもらってそれを記憶している。


ADHD

多動性、衝動性、注意欠陥が主な特徴であるが、就労上もっとも大きな問題は、多動や衝動性よりも「不注意」であるという側面。短期記憶(ワーキングメモリー)の弱さから、やらなければならないことを忘れてしまう。

ワーキングメモリーとは、例えば10+20+30はいくつ?と質問された場合、多くの方が先ず10と20を足して、頭の中で一旦30を置きつつ残りの30を足して60と計算しているが、ワーキングメモリーが少ないとはじめの30を忘れてしまう。不注意からミスを生じることが就労上の課題となる。


ASD

就労上のもっとも大きな課題は、コミュニケーションを含む「対人関係」。例えば、以前、就労支援を行ったASDの方で面接同行を行った際、就労経験を何分も話し続けたことがあった。面接官3名は最初はふんふんと興味深く聞いていたものの途中で明らかに不快感をあらわにしたものの、本人は全く気づかず話し続けたということがあった。相手の表情から心を読むことが苦手である。



「いらすとや 誤解」の画像検索結果


自分自身のニーズを把握しよう


LD、ADHD、ASD、それぞれ特徴があり、就労の場での困り感も違う。もちろん、同じ障害であっても人の顔がそれぞれ違うように、一人一人の障害特性、日頃困っていることも違う。

自身の障害特性を受容、理解し合理的配慮を企業にお願いすることによって「人間関係がうまくいかなった」や「配慮が足らなかった」という退職理由を十分に防げる。

面接練習において、若しくは普段行っている講義の中で「あなたが企業に求める配慮はなんでしょうか?」と質問することがある。

しっかり、答える方はあまりなく、「うーーーん、配慮ですか・・何だろう・・・特にないです」と言う方が多い。もし、実際の面談において「特に配慮してほしいことはないです」と答えた場合、面接官はほぼ間違いなくその応募者を不採用とする。理由は「自身の障害特性を理解していない」と判断されるから。なので自身のためにも面接官を安心させるためにもあなたの困り感から生じる配慮点、ニーズを伝えるようにしよう。


自己理解力とは


障害があるということは、業務を遂行する上で、そのままの環境では何らかの困難が生じる可能性がある。では、どのようにその困難を軽減、若しくは解消したら良いか?

それが、会社から合理的配慮を得ること。

企業が、あなたの障害を聞いて「じゃ、あなたの合理的配慮はこれね」と最初から用意してくれることはない。自分で(ジョブコーチや支援者を使ってもいい)伝える必要がある。

自身の障害特性や希望する配慮を会社に伝え、話し合いを経て、配慮を得るということのできる力が本人に求められる。※そのためには、自分の障害を理解し、自分でできる対処方法を考えるとともに、適切に配慮をお願いするスキルを身に付ける必要がある。これを自己理解力、若しくは自己権利擁護力(セルフ・アドボカシー・スキル)という。※自分で伝えるのが難しい場合は支援者と相談しましょう。


どうやったら自己理解力が身につくか

以下考えてみよう

①どのような状況において、どのような困難が生じるか。
例:口頭で指示を受けると、焦ってしまい記憶に残らない、理解できない

②上記の状況に対してどのような自己対処ができ、どこから周囲の配慮を得る必要があるか。
例:口頭で指示を受ける際は、メモを取ることで対処できるが早口で言われると聞き取れないのでゆっくり言って欲しい

③上記、お願いしたい配慮を面接時、若しくは職場でどのように伝えるか?
(移行支援事業所などでSST、ソーシャル・スキル・トレーニングを受けられる方は「配慮の伝え方を練習したいのでSSTを受けたい」とお願いしよう)


まとめ

退職理由の一番である「人間関係がうまくいかなったから」はちょっとしたボタンの掛け違い、誤解、企業側の障害に対する理解不足からくることが多い。自身の障害特性をしっかり伝え、就労上の困り感からくるニーズ(配慮)を企業にお願いすることによって、未然に誤解を防ぐことができる。セフル・アドボカシー・スキルを身に付け必要な配慮を求めていきましょう。



参考文献(論文)
・梅永 雄二 「発達障害者の就労上の困難性と具体的対策------ASD者を中心に」
・小川 勤  「発達障害学生のセルフ・アドボカシー・スキル育成に関する研究----移行支援における自己理解と仕事理解」



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