当事者が企業側のルールに合わせるのではなく、企業が当事者に合わせる

発達障害当事者を企業側のルールに合わせようと強いるのではなく、企業側が当事者の「文化(特性)」を理解し彼ら彼女らに合わせる。それが離職を防ぎ定着に繋がる。


読者対象:経営者、人事、支援者など







早稲田大学梅永雄二教授はその論文の中で「LD、ADHDに比べ、最も課題が多い発達障害者はASDである」としている。そのASD者の主な特徴は次の通り。

1社会性の障害:人との関りについて、その場にふさわしい言動を示すことに困難がある。
2コミュニケーションの障害:相手と言葉でのやりとりにおいて困難がある。
3想像力の障害:見通しの見えない状況で、ある程度の柔軟さを持って乗り切る想像力に対して障害がある。


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また、その他にも様々な特性があり、その特性の強さも個人差が大きい。感覚の偏り(視覚過敏、触覚過敏、聴覚過敏、痛覚鈍感、平衡感覚不全)を有する場合もある。この感覚の偏りを有する個人差も大きく、偏りも一つではない。参考「ASD者の就労上の一番の課題」


上記Twitter文章内にある「専門家」が言った3点はASD者を含む発達障害者に与えられた機能(特性)からしてかなり難易度が高く厳しい。この3点は当事者が定型発達の方たちに「合わせる」という方法。それが出来ればそもそも障害ではない。仮に「出来た」としても、出来るから出来ているのではなく、本人のキャパを超えて「何とか出来ている」だけ。キャパを超えて無理をさせれば心身ともにストレスとなり、離職に至る可能性が高くなる。


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「なんだ、できるじゃないか!頑張れば何でもできるんだよ!」
「頑張れば出来る、障害のせいにするな!日頃できないのはあなたの根性が足らんからだよ」


無理をして頑張れば出来てしまうため、頑張れば出来るんだよ!などと誤解を生むことも。企業の方に言いたいのは、発達障害当事者をあなた方の「普通」の枠に無理やり当てはめようとするのではなく、彼ら彼女らの「文化」を知り、会社が当事者に合わせることが望ましいということ。

哲学者キルケゴールの言葉がしっくりくる

「ある人を理解するためには、その人の理解していることを理解しなければならない(キルケゴール)」


また、発達障害者の特性は個人の性格と同様に個性があり、発達障害イコール特定の特性を有するわけではない。そのため、障害名にとらわれず、当事者やジョブコーチ、支援者、支援機関としっかり話し合った上で必要な配慮をして頂くようお願いしたい。


ポイント:当事者を会社の枠に当てはめようとせず、会社が当事者に合わせる(強み、得意を生かす)

補足:発達障害者との接し方に疑問、課題、困難などが生じた場合はハローワークのなどの外部機関に相談する方法や、厚生労働省の「精神・発達障害者しごとサポーター」講習などを利用して知識を取得する方法もある。

【参考文献】

樋上 光雄(2020年)「発達障害のある労働者の安全衛生教育を行う前に産業安全衛生技術職が知っておくべき特性」(89-94)

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